映像にモーションブラーを掛ける3つの方法【AfterEffects】
Adobe AfterEffects(アフターエフェクト)では、簡単に動画にモーションブラー(残像効果)をつけることができます。
今回はモーションブラーを作る方法として、以下の3つの方法をご紹介します。
(1)「モーションブラー使用可能」スイッチを使う
(2)復数のレイヤーを使って残像を表現する
(3)RSMB(ReelSmart Motion Blur)を使う
それぞれブラーの味わいや、処理にかかる負荷の大きさが異なりますので適宜使い分けてください。
(3)以外は標準の機能だけで実現できます。
ちなみに、AfterEffects CCから「ピクセルモーション ブラー」という機能が追加されましたが、まだ新しいツールのため今回は掲載を見送りました。
「モーションブラー使用可能」スイッチを使う
こちらの機能は位置の移動などを検知してブラーを掛ける機能です。
なので、普通のHD動画などに「モーションブラー使用可能」スイッチを使ってもブラーは掛かりません。(「モーションブラーがかからない!」と困っている人は、結構ここを勘違いしていることが多いです)
AfterEffects CCから搭載された「ピクセルモーションブラー」を使えばブラーを掛けることができますが、後述のRSMBプラグインに比べてレンダリングに時間が掛かる欠点があります。
まず、モーションブラーを適用したいレイヤーの右側にあるモーションブラーのアイコンをアクティブにします。
こちらをアクティブにするだけで、初期設定の場合レンダリング映像にブラーがかかりますが、レンダリング前にプレビューするためにはもう一つボタンをクリックします。
タイムラインパネルの上部にある「モーションブラー使用可能」スイッチをオンにします。
これでモーションブラーをプレビューすることができるようになりました。
ちなみに、モーションブラーのかかりをチェックしたり最終的な映像をプレビューする時以外は「モーションブラー使用可能」スイッチをオフにしてプレビューします。
この手のエフェクトはPCへの負荷が大きく、プレビューにも時間が掛かるためです。
ブレの大きさを調整する
コンポジションの「高度」タブよりモーションブラーの掛かり方を調整できます。
シャッターが1回転する360°を基準にシャッター角度などが設定されています。
①シャッター角度の数字を上げると、大きくブレるようになります。
②シャッターフェーズ・・・シャッター角度を2で割ってマイナスにした値を基準値として、シャッターの位置を調整できます。基準値より大きくするとブラーが早くなり、小さくするとブラーが遅くなります。
③フレームあたりのサンプル数・・・滑らかさ(当然ですが上げ過ぎると重いです)
④最大適応サンプル数・・・③の最大値
復数のレイヤーを使って残像を表現する
こちらの方法を使うメリットは、モーションブラーに比べて基本的にプレビュー・レンダリングが高速になる点です。
もう一つのメリットは通常のHD映像など「位置」プロパティを使わないものにもモーションブラーをかけることができる点です。
方法は至って簡単で、すこしずつ時間をずらしたレイヤーを3~4個ほど上に重ね、透明度を10%以下に下げることで実現できます。
時と場合に応じて役に立つ方法ですが、大量のレイヤーを内蔵したコンポジションを3~4個複製すれば当然プレビューは遅くなります。
RSMB(ReelSmart Motion Blur)を使う
こちらはAfterEffects唯一の必須プラグインといっていいほどぼくにとって手放せないプラグインで、多くのプロがモーションブラーにこれを使っています。
「絶対必須のAEプラグイン」と銘打ったブログなどでは、必ずといっていいほど名前が上がります。
↑とてもシンプルなプロパティですが、しっかり仕事してくれます。上画像は通常版です。
Blur Amountの数字を上げてブラーの量を調整します。数字が上がるほど処理に時間がかかります。
僕は0.2~0.8あたりの数字を打ち込むことが多いです。
↑こちらはPro版です。
3Dソフトで出力した「モーションベクター」(動きをカラーに置き換えたもの)を基にモーションブラーをかけることができます。
通常版は1万円ほどです。フラッシュバックなどで購入できます。
ピクセルモーションブラーよりも高速で、美しいブラーがかかります。
ピクセルモーションブラーもそうなのですが、動いた所だけにブラーがかかりますので仕上がりが非常に自然です。
レンダリングは…正直かなり時間がかかりますが3DCGソフトなどでレンダリングする際にモーションブラーをかけた場合と比較しても圧倒的に早いです。
注意しなければならない点は、楽しくてついブラーをかけすぎてしまうことでしょうか。
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